新編・伊勢物語 第八百八十六段 二見 其の参 星原二郎第八百八十六段 二見 其の参 百(もも)船(ふね)の 度会(わたらふ)国の 沖にして ながめ飽かなく 時は過ぎゆく 御食(みけ)つ国 志摩の海人(あま)らが 潜(かづ)きては 獲り来し鮑の 熨斗(のし)のめでたさ 夏さ中 灼けつく岩に 船虫の 何の因果ぞ 群れてせはしき と、詠みて 二見が浦 興玉神社の神使である 「無事蛙」のお蔭もあり、自宅に「無事帰る」 ことが出来、感謝を申し上げけり。