新編・伊勢物語 第八百八十四段 二見 其の壱 星原二郎第八百八十四段 二見 其の壱 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年初夏、続けて伊勢の国の名所にして 古代日本に於いて【特別なる場所】二見が浦へと行きけり。 行きて、歌を 神風の 伊勢の国かも 二見なる 夫婦岩へと 三度(みたび)吾(あ)は行く 注連縄に あの世とこの世 隔てつつ 二見が浦の 陰陽の岩 幽明を かの注連縄に 隔てつつ 岩間ゆ昇る 夏の朝かげ