新編・伊勢物語 第八百五十七段 藤の花 星原二郎第八百五十七段 藤の花 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の五月連休 岡崎公園の中の藤棚へ行きけり。 行きて、歌を ねぢれたる 枝ぶり見れば 拗ね者の 藤にてあれど 花可憐なり と、詠み 人間もまた、外見と性格の相違は 諸所方々なりと思ひけり。