新編・伊勢物語 第八百五十四段 蒲郡での俊成短歌大会 星原二郎第八百五十四段 蒲郡での俊成短歌大会 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年四月二十九日 第33回蒲郡俊成短歌大会に 次の歌を 来年の 手帳にまづは 記したり 亡きうかららの 生年と歳 を提出し入選通知を待ちけり。 しかれども、大会の参加証は届けども 入選通知にあらざれば、出席を見合はせけり。 歌の心 死にたる子の歳を数へるに似て その男の一族の知る限りの誕生日と命日 及び生きていたなら何歳と手帳に記す習慣 久しくなりたるとぞ覚えての作なり。