新編・伊勢物語 第八百二十一段 吉良吟行の朝 星原二郎第八百二十一段 吉良吟行の朝 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年三月八日発行の 短歌誌「立春262号」に連作『吉良吟行』を 発表し世に問ひけり。 連作の一首目は 台風の 去りて秋晴れ 歌(と)友(も)と行く 吉良への旅の 楽しかりけれ と詠み 吟行会の幹事として 無事なる事 意義深き事 佳き歌の詠める事 などなどを願ひつつ家を出(い)でけり。