新編・伊勢物語 第七百八十四段 今年の手帳に 星原二郎第七百八十四段 今年の手帳に 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年二月八日 知立市の短歌グループ「立春」の定例の歌会に 事前に提出したる歌は これの世に いまさぬ母の 誕生日 齢をまづは 手帳に記す にて 臨みけり。 歌の心 昨年の暮、 手にしたる平成三十年の手帳に その男の母親と初孫の誕生日である 十一月二十七日 母の治子九十二歳、初孫十三歳 と明記し使用を始めけり。 して、歌会での結果は珍しく最高得点にて 存在感を示しけり。