新編・伊勢物語 第七百八十一段 指宿砂蒸温泉 星原二郎第七百八十一段 指宿砂蒸温泉 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、 鹿児島は指宿にある 砂蒸温泉へと行きけり。 世界で唯一の天然砂蒸温泉にて 汗を流し歌を 地の底ゆ マグマほどよく 噴き上がり 砂の熱きに わが身を養ふ 形よき 開聞岳を 見やりつつ 砂蒸風呂に わが身横たふ と 詠み NHKの大河ドラマの『西郷(せご)どん』の 主人公等も楽しんだであらうと 思ひつつ「よか湯でごはす」などと 薩摩弁を用ひて幕末の頃に思ひを馳せけり。