新編・伊勢物語 第七百七十一段 厳冬期の湯の山温泉 星原二郎第七百七十一段 厳冬期の湯の山温泉 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年 厳冬期 三重県は湯の山温泉へと行きけり。 行きて歌を 湯の山の 御在所岳の 雪景色 見やりつつ浴(あ)む いで湯よろしも と詠み 御在所山頂あたりの樹氷を思ひつつ 傷つきたる鹿が癒したると伝はる 湯の山の温泉(いでゆ)につかり温まりけり。