第七百六十五段 洗濯機の買ひ替へ
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成三十年一月の或る日
十年余り使用せし
洗濯機 脱水に支障をきたせば
買ひ替へを決めけり。
納品の午後
歌を
新しき 嫁を迎ふる 心地して
今や遅しと 洗濯機待つ
と詠み 洗濯機無き時代の
冬の洗濯の辛さに泣きたる
数多の女らを慮りけり。
しかして、よく働く嫁の如き
洗濯機であれ と願ひけり。
かつて歌の師匠山川京子先生より
「擬人法は難しく、その多くは失敗に終はる」との
教示を給はりし事を思ひ出ししが
この歌は如何であらうか?