新編・伊勢物語 第七百五十一段 胡蝶の夢 星原二郎第七百五十一段 胡蝶の夢 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の新春 自らの老いの境涯を思ひ 歌を 春や春 胡蝶の夢に さまよひて 老いを愉しむ 昨日も今日も と詠みけり。 (註)胡蝶の夢とは中国の故事にて 荘子といふ男が夢にて、胡蝶となり日々を楽しみ 自分自身と蝶の区別が付か無くなりたるとぞ。 つまり現実と夢との区別なく 春の花の野に遊ぶ蝶の心境なり。