第七百十七段 幼神の賦(前編)
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年師走
五人の孫に恵まれゐれば
歌を
生まれ来て 漆歳までは 神のうち
わが孫なれど 顕形ならずや
譬ふれば 制多伽童子の 像に似て
煌也漆歳 わんぱく盛り
まこちゃんと あきらちゃんとふ 実ならぬ
友居て五歳の 詩織の世界
石原の 石とも語る 幼にて
自我の世界を すでに持つらし(詩織)
冬なれど 水遊びに似る 入浴の
三人の孫と 洗ひあひつつ
※制多伽童子は鎌倉時代を代表する
仏師・運慶作の国宝の少年像なり。