新編・伊勢物語 第六百八十七段 庶民の難除け呪文の歌 星原二郎第六百八十七段 庶民の難除け呪文の歌 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十九年 知立の三弘法の一つ 遍照院へと行きけり。 行きて呪(まじな)ひ歌を 南無大師遍照金剛 生麦大豆二升五合 難除け呪ひ 霊験あらたか と詠み かかる呪ひ言葉を事あるごとに唱へけり。 因みに南無大師遍照金剛とは勿論 真言密教の呪文なり。 而して、「生麦大豆二升五合」とは庶民に伝はりたる呪文なり。 「南無大師遍照金剛」の音韻の転化にて さしずめ「鰯の頭も信心から」と同等と覚ゆ。