新編・伊勢物語 第六百六十七段 小夜の中山 星原二郎第六百六十七段 小夜の中山 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十九年十月 駿河の国は茶畑の続く掛川の小夜鹿にある 小夜の中山へと再び行きけり。 行きて歌を 慕ひやまぬ 西行法師の おん跡と 歌碑を拝む 小夜の中山 老ゆれども 使命を重む 西行の 意志のつよさや 見倣ひ生きむ と詠み 駿河の国の富士、田子の浦、三保の松原などと共に 名高き歌枕の地である小夜の中山を徘徊(たもとほ)りけり。