新編・伊勢物語 第六百二十五段 忘れ得ぬ味(其の伍) 星原二郎第六百二十五段 忘れ得ぬ味(其の伍) 一杯の 珈琲の中に 哲学と 芸術ありと 寅彦いひき やや高き 値なれども 試食して 串原村の 沢庵を買ふ 五品の 漬物並ぶ この夕餉 ささやかなれど 奢(おご)りといはむ 三陸の 若布と三河の 赤味噌の 相性よくて 御御(おみ)御付(おつけ)かな 象山の 「酒」漢字の 楽しさよ 心地よく酔ひ 書きしにあらむ