新編・伊勢物語 第六百二十三段 忘れ得ぬ味(其の参) 星原二郎第六百二十三段 忘れ得ぬ味(其の参) 弥次喜多も 食べしならむ とろろ汁 今に変らぬ 丁字屋の味 炊きたての 熱々ご飯に 生玉子 醤油かけるを 今も好める 大粒の 梅干食めば 絶妙の 塩のうまさや 君が漬けたる 美濃栗を もはらに用ひ つくりたる 栗きんとんは 川上屋にかぎる 豊橋に 菜飯田楽の 「菊宗」の ありて遠来の 客をもてなす