新編・伊勢物語 第五百九十二段 東日本大震災の歌 其の弐 星原二郎第五百九十二段 東日本大震災の歌 其の弐 時により 綿津見の神も 怒るなり 歌もて鎮めむと 歌詠み吾は 綿津見の 神の恵みに 与りて 幾代か知らず 暮らし来し民 三陸は 海のまほろば 沖遠く 龍宮あらむ ゆきしと思へ 龍宮は 浄土ヶ浜の 沖ならむ ゆきてかへらぬ あまたのいのち この沖は 海のまほろば 三陸の 海底(うなそこ)深く 眠りゐまさむ