第五百四十四段 琴引浜
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年五月の下旬
丹後半島へと行きけり。
日本の砂浜百選に選定のまさに
白砂青松の「琴引浜」へと
足を運びけり。
そこにて、歌を
幾千年 波に洗はれ 磨かれて
琴引浜の 砂の声聴く
ぽんぽんと掌打てば 響き鳴る
丹後の海の 太鼓浜はも
命ある 砂とも思ふ 不可思議の
音よ後世まで 鳴り続けかし
と詠み 掌に打ち、足に鳴らし続け、音を楽しみ
摩訶不思議なる地球からの贈り物を絶やしては
ならじと願ひけり。