新編・伊勢物語 第五百二十九段 西浦温泉(前半) 星原二郎第五百二十九段 西浦温泉(前半) 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十九年の初夏、蒲郡の西浦温泉へと行きけり。 行きて歌を やはらかき 初夏の日差しに 煌める 三河の海を ヨット航(ゆ)く見ゆ 今日もかも 三河の海は 波穏し 沖のタンカー 小さく見えて