新編・伊勢物語 第五百二十八段 日本の夏 星原二郎第五百二十八段 日本の夏 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十九年 夏を迎へむとする頃 歌を 素足にて 桐の下駄履き 歩みゆく すがしき日本の 夏は来にけり と、詠み 最近の若者言葉の「生(なま)足(あし)」といふを苦苦しく 思ひゐたれば、「素足」といふ古来より使はれて来し 美しき大和言葉を使ひたきものと思ひけり。 ちなみに、風鈴・団扇・扇子などなどがその男の 夏を乗り切る手立て と いひをりしかど さだかならざるなり。