第五百十三段 御岳は神の山
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、平成二十九年の初夏を思はせる陽気に誘はれ、
御岳山の七合目にある濁河温泉へと行きけり。
行く途中 猿の番に遭遇し
露天風呂にては熊の子と遭遇せり。
子熊の近きには必ず母熊がゐるものと知りければ、
少々怯えけり。
怯えつつもデジタルカメラのシャッターを切りけり。
シャッターを切りつつ、歌を
御岳は 神の山かも 僕なる
猿・熊の子 われを迎ふる
と、詠み 御岳の山の神の恩恵のいで湯を浴み
厚く感謝を申し上げけり。