新編・伊勢物語 第四百九十一段 三河の国の国分尼寺址(前半) 星原二郎第四百九十一段 三河の国の国分尼寺址(前半) 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、平成二十九年の春爛漫の頃 三河の国の国分尼寺址へと行きけり。 行きて歌を うら若く 聡き乙女ら 十人(とたり)とふ 国分尼寺址 春の陽に栄(は)ゆ うら若き 十人(とたり)の乙女 如何ならむ 日日過ごししや 国分尼寺に 恋を棄て 若き身なれや 仏道の 修行に勤(いそ)しむ 明け暮れ浮かぶ