新編・伊勢物語 第四百七十五段 佐保姫に成り代はり 星原二郎第四百六七十五段 佐保姫に成り代はり 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、平成二十九年三月 信州は南木曽町の南木曽温泉郷へと行きけり。 木曽の山々 未だ冬眠中なれば 歌を 木曽に来て 生きとし生ける 物らみな 今は弥生ぞ 目覚めよ芽吹け と詠み 春を司る女神である佐保姫に成り代はり 草木国土、鳥獣虫魚、森羅万象に対して 歌の力をもて 呼びかけ促しけり。