新編・伊勢物語 第四百四十二段 知床の冬(後半) 星原二郎第四百四十二段 知床の冬(後半) オホーツクの 氷の原を 歩み来て 冷えし体を いで湯に温(あたた)む 知床の 雪の山々 見わたして 浸る宇登呂の 熱き塩の湯 ガイド唄ふ「知床旅情」の うた聴けば 若き日会ひたる 女(ひと)思ひ出づ 幸運を もたらす守りと 聞きしかば カムイニポポを 君への土産とす と 詠み 知床の冬の厳しさ 知りけり。