新編・伊勢物語 第四百十八段 寒稽古 星原二郎第四百十八段 寒稽古 昔、男ありけり。今も男ありけり。その男、平成二十九年の大寒の頃を迎へ歌を 元気よき 寒稽古の声 聞こえ来て 若さは羨(とも)しと 思ふ夕べかな この寒さ いさぎよければ 心地よく 風を受けつつ 前に向はむ と、詠み 寒さにも、世間の風の冷たさにも、負けぬ丈夫な精神力を持たな と 願ひしがその後、持てたかは定かならざるなり。