新編・伊勢物語 第三百八十九段 わが名前と母の名前の歌 星原二郎第三百八十九段 わが名前と母の名前の歌 昔、男ありけり。今も男ありけり。その男、己と母親の名前に寄せて、歌を 次男なれば 単純にして 二郎とふ 名に決まりしと 聞きしことあり わが名にある 阝偏(おほざとへん)の 象形は 神のみ使ふ 段(きだ)梯(はし)なりき 神のみが この段梯を 使ひまし 天とこの世と 降りて登る 母の名の 治子は明治を 祖父慕ひ 下の一字を 給はりしと聞く と 詠み 名前の持つ言霊の力を恃みけり。