新編・伊勢物語 第三百六十三段 矢作川に思ふ 星原二郎第三百六十三段 矢作川に思ふ 昔、男ありけり。今も男ありけり。その男、矢作川に思ひを寄せて歌を みなもとは 大川入山と 知りしかば 登れぬまでも 見にぞ行かまし 荒野(あらの)なりし 安城ヶ原を 農地へと 変えて潤し 流るる矢作 河に拠り 遠きいにしへ 文明は 大きく興ると 史(ふみ)に知りつつ と、詠み 川こそ 生命の母であり大地を流るる血液とも思ひけり。