新編・伊勢物語 第三百五十六段 名鉄の三河線に乗車の記憶 星原二郎第三百五十六段 名鉄の三河線に乗車の記憶 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、碧南の町にて、平成十七年末をもって 廃線となりたる三河線にかって乗りし事を思ひ出し 歌を 海近く 矢作川面の 夕映えを 廃線と決まりし 電車より見つ と 詠み 映画のワンシーンさながらの 美しき情景の記憶、甦らせけり。