新編・伊勢物語 第三百九段 縄文のご先祖様 星原二郎第三百九段 縄文のご先祖様 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、自らを縄文人の末裔と思ひをり。 して、遠きご先祖様を思ひ 歌を 一万年に 亘りてつづく 縄文の 日日にわれらが 言葉成り立つ 如何にして 木の実の灰汁(あく)を 抜く技は 覚えしならむ 智恵のかしこさ 黒曜石を 神津島まで もとめむと 小さき舟にて 航(ゆ)く技ありき と 詠み わがご先祖様の賢さに 敬意を表しけり。