第二百九十四段 北朝鮮を垣間見て
昔、男ありけり。 今も男ありけり。
その男、平成二十八年の秋、板門店より北朝鮮へと
足を入れけり。しかれども、北側の制止に遭ひ
進めざりければ無念の思ひに歌を
北の主義 南の主張 相容れず
板門店に つづく対立
望み見る 北の山々 その果てに
飢ゑに苦しむ 民あまたゐむ
燃料に 樹木次々 伐られたる
禿げ山つづく 北の国かな
と 詠みて、軍事独裁政権に対し
疑問の念を深めけり。