第二百九十一段 韓国にて
昔、男ありけり。 今も男ありけり。
その男、平成二十八年の秋、韓国の土を踏みけり。
その男、韓国にて数日間滞在しにけり。
隣国である韓国の歴史を学び、中国・ロシア・日本に
囲まれ虐げられし期間の長さを知りけり。
また、日本との関係の深さを思ひ歌を
動乱を 知らぬ世代の 若きらか
ソウルの街の 夜のにぎはひ
動乱に 別れ別れと なりて今も
ゆくへわからぬ はらからうから
南北の 民族統一 ひたすらに
こひねがひてをり 叶ふ日あれかし
金芝河の 詩集読みしは 二十歳前
牢獄の人の 咎を忘れつ
と 詠みて良き隣人同士であれと願ひけり。