新編・伊勢物語 第二百九十段 ソウルにて 星原二郎第二百九十段 ソウルにて 昔、男ありけり。 今も男ありけり。 その男、平成二十八年の秋 韓国のソウルの土を踏みけり。 しかして、その印象を歌に あら草は いづこの国も 変らぬか 漢(カン)河(ガン)ほとり 秋の花咲く 日韓の ながき歴史に 感謝の念 抱(いだ)きつつ踏む 半島の土 と 詠みて「アンニョンハセヨ」(こんにちは)と 覚えたての言葉を発しけり。