新編・伊勢物語 第二百七十八段 生命の誕生の日 星原二郎第二百七十八段 生命の誕生の日 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、平成二十八年の夏のある日、、惚れたる女を伴ひ 伊良湖にある海辺のホテルへと行きけり。 夜となり、海、荒れけり。 窓より眺めゐる程に、遥か太古の様相を 連想し、歌を 斯くの如き日 生命(いのち)生(あ)れしか 幾万年 前に変らぬ 海面のうねり と 詠み 生命の営みのうねりに ふたりして、身を任せけり。