インターネットエクスプローラー騒動での情報格差(デジタル・ディバイド)について考える | いさおリンクのインターネット羅針盤

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今日はとある会社のパソコンセットアップをしてきました。こちらはWindowsXP、Vista、7、8が混在している環境でWindowsXPの入れ替え他を行ったのですが、あちこちで「実は今こういうところがうまく行かなくて・・・」と言った話があってレベル低からレベル高まで対応してと、なかなかエキサイティングな1日でありました。

さて今日の本題です。

4月末のインターネットエクスプローラーの脆弱性に関する問題の余波は今でも続いています。修正プログラムそのものは既に出ていて、日頃からそれなりにメンテナンスしているパソコンは修正済みとなっているでしょうか、自動更新といいつつもされていないパソコンも結構あって現場を見ている限りではまだまだ問題は解消されていないと感じます。

そんな状況を揶揄するかのように、ちょっと刺激的なタイトルの記事が掲載されていたので紹介します。

IE欠陥騒動 「情報格差」を笑う人々、埋める人々
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140509/its14050910300001-n1.htm

(専門用語と言えるか微妙な感じもしますが)例えば「ブラウザー」という言葉を理解できなかったりする人にドリフじゃないけど「こりゃダメだ~」と言いたい気持ちは分からないではありません。

でも実際の現場ではWindowsUpdateを知っていて適切に対応している人なんて微々たるもの、ほとんどの人は「なんかチョコチョコよく出てるけどよくわからないのでそのままにしている」のが実情です。

それは上記記事に出てくるような年配の方だけじゃなくて、平たく言えば年齢問わずです。若者でもパソコンを持っていない人は相当数いるのは間違いありません。

そもそもパソコンと一言で言っても、WindowsとMacの違いはもとよりそれぞれに30年以上の歴史があってその間に出たOSやソフトも膨大な数になります。加えてハードウェアも生まれては消えを繰り返し、同じWindowsOSを使っていてもメーカーによって細かい部分は異なっています。

それらの様々なことをある程度以上に知っている人が果たしてどれだけいるのでしょうか。

なんだかんだで20年以上パソコンに触れていて、今やパソコンでご飯を食べるまでになっている自分でも知らないことが多すぎて毎日知識の習得に追われています。極端なことを言えば1台1台動きが違うので、Aというパソコンでうまく行ってもBというパソコンではうんともすんとも言わないなんてこともあります。「経験から推測する」ことが非常に重要になってきます。あ、でもまあ一言で言えば単に実力不足なのかもしれませんけど(T_T)。

20年以上に渡ってパソコンという共通項で1,000人を軽く超えるいろいろな人を見てきた経験を踏まえて言えるのは、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」です。本当に知識のある人はとても謙虚、自分の知識をひけらかすこともなければ詳しくない人のことを嘲笑するようなこともありません。

なので「こんなことも知らないの」と言ったり書いたりしている人の知識がどの程度あるのか観察したいな~、なんて思ったりもします。

それはそれとして、メディアの報道も少しわかりやすく伝えて欲しかったとも思います。今回の騒動で言えば、

・大々的に注意を呼びかけるが内容が極めてわかりにくく、何をしてよいかわからない

・MicrosoftSoftが予想以上に早く対応して修正プログラムを配布

・修正に関する報道が小さく適応確認方法の説明がないので不安が解消されない

大多数の人は結局、何をどうして良いかわからない。使えるかどうかもよくわからないまま放置されている

というのが現状のように思います。問題なのはUpdateのやり方はじめパソコンに関する基礎知識が決定的に不足していること。メーカーは売れれば良しでユーザーは使い方も満足にわからないまま置き去りの構図がいつまでも続いていることを誰も是正しようとしないのは不思議です。

誰もやらないので自分が「いさおリンク」としてやっていますが正直儲かる仕事ではありません(^_^;)。まあでも、お客様が「こんなことをやりたかったんだよ、ありがとう」と言ってくれるのが嬉しくて続けています。夢を形にする仕事なんて素敵だと思いませんか。

話が逸れました。あと、修正プログラム実戦編で言うと、修正プログラムの適用が実は厄介で買ったまま何もプログラムのUpdateをしていないと修正プログラムがUpdate候補に出てきません。

ブラウザーのUpdateやサービスパックの適用を行った後にようやく今回の修正プログラムが出てくるなんてことを何台ものパソコンで経験しました。

パソコンなんだから一瞬にして出来るはず、なんて思っているお客様もいらっしゃいますが現実は知識と何回も同じことをやる忍耐があってはじめて適用になる場合もあります。

パソコンを使いこなしたい、パソコンであれやこれをやりたい、そんな誰もが思うささやかな欲求に低いハードルで乗り越えさせてくれるOSやソフトが出てくれる事を願ってやみません。