とにかく、学校のテストになると暗記できる科目はあっという間に終わらせられて点数も高いが、
計算が必要になると今度は何も出来なくなる。特に指数関数や微分積分みたいに数式の中に文字や記号が入ってくる物は頭がパニックになる。
その結果社会科では高めの偏差値になり、学年でも大抵上位に名前が載るくらいの成績だったのだが、
数学や理科になると何もかすりもしない。常に底をさまよって、もがき苦しみ、
試験ではことあるごとに赤点すれすれか赤点に足を突っ込んでいるという起伏の激しい成績になる。
バランス感覚は皆無である。
模試などで社会科だけ偏差値が70代に達しても数学や理科の偏差値が40前後をウロウロするような奴が使い物になるのか。
なお国語と英語はその真ん中くらいなので至って平均的である。
とにかく暗記できる言葉、単語は即とことん暗記するが、頭で計算が必要なもので四則計算以外の計算は実に悲惨な結果になる。
数学が壊滅的なので当然理系にはなれず(なったら多分数学と物理で留年するし卒業も覚束ないだろう)、
どこをどうしても文系になるしかなかった。なお理科は計算の少ない生物で全部何とかした。
大学を選ぶにしても今なら筆記以外、あるいは除外科目のある試験もあるからまだ挽回できるが、
自分の頃は面接以外に数学を除外できるような大学の試験もろくになかったので、
入試問題で数学の壁の薄いところを狙って文系科目で突っ込んで得点を稼いで逃げ切りを狙い、理系科目を見ないことにするしかなかった。
そうしないとまず勝ち目がないからである。
とりあえず数字ではなく文字式だらけの数式になると途端に書いてあることが分からなくなる。
何をしたいのかも、何ができるようになるのかも数式は教えてくれない。
そう言う奴が哲学の専門書は読むし倫理の科目に出てくる思想家の本は片っ端から読み漁った。
この得意不得意の歴然とした差があって、バランスのいい、という感覚は自分にはなく、釣り合いなんて信じられないものと思って過ごしている。
なお社会科でも経済学だけは数式が出てくるので私には何も出来ない。
統計を取ろうとしたら統計の式の意味が分からんという酷いレベルである。とにかく数式に触れたら点数が著しく下がるのは定説である。
文章の論理は追い求められるが数学の論理はまるで追い求められない。
論理的な構成を考えてきっちりとレポートはまとめられるが、数式はどこも読めないから書こうにも書けない。
資料を集めて言葉をぶつけ合うディベートを学校でやらせたら負け知らずにも関わらず。
人生の真実を探るのに言葉は必要であるが、私の場合、その中に数学は含まれない。
数式なんてこの世になければいいのに。学校の試験的な意味で。
誠に遺憾である。