最近は長生きなんてするもんじゃない、と言われる。
食事や通院、服薬に神経質なまでに気を配って配り尽くして生活に制限をかけてまで寿命を延ばす意味はあるのか。
もちろん長生きするに越したことはないが、健康寿命だのなんだのとうるさいから、
耳にたこができるくらいに健康健康と連呼されたら疲れるだろうと思う。
ダイエットが生きがいの人なんて世間でやかましくダイエットダイエットと言っているのにあまり聞いたことがない。
つまりダイエットとは苦役である。
毎日の大食いが過ぎて胃がつまったり、アル中になるほど飲んだりするのは論外だが、
一日のカロリー摂取量とか塩分とか糖分とかありとあらゆる数値を具体化してまで、何を生きてつかめるというのか。
病気にかかってしまえば嫌でも管理せざるを得なくなるのに。
糖尿病とか肝臓や腎臓をやられた人とかでもなければ時折羽目を外しておかないと、
食事すら苦役にされて、一日三度の楽しみさえ純粋に享受することができなくなってしまう。
それは生きているというより生かされているようなものである。
一日三度納豆とご飯と味噌汁でも食べて生きればよかろう、なんて今の世の中では言えた物ではない。
自分はご飯と漬物さえあればいい、と思う日は結構あるが、それは自分で漬物を作るからであり、
そうでもなければご飯と漬物だけなんてセルフネグレクトと言われても仕方がない。
虐待みたいな食事を繰り返してまで何を生きようとするのか、とダイエット食品の過度な広告を見ながら思う。
誠に遺憾である。