あんまり田舎に行くと狭い社会なので、作業所を探すのも難儀で、下手に昔の知り合いとかに出くわすととても気まずいから、
まず自分の行ける基準を満たした作業所があるのかどうか、から始めなければならないのが田舎暮らしの辛いところである。
普通の障害者雇用、とか行っても面接が最大の弱点だからいくら取り繕っても何か想定外の質問が飛んだら答えられない。
知的なら最初からそれを踏まえた面接になるだろうし、身体なら特に精神に問題はないから応対は出来るだろう。
精神には配慮といっても何が配慮になるものか、当の本人でもよくわからない。
A型作業所は最近とても規則的な締め付けが厳しいのでそう簡単に増やせるものでもなくなったし、
最低賃金が守られるとはいえ、週に二十時間以上の勤務、となると親が高齢化して介護とかを想定すると、不定期に、頻繁には休めなくなる。
かといってB型は緩いのはいいが工賃になるため最低賃金よりも低くなり、場所によっては障害者側が逆にお金(主に移動費)を払って通うこともある。
田舎は「B型作業所に自力で行く」だけで運賃かガソリン代のお金がかかるのでとても痛い。通勤通所手当とかなどというものは存在しない。
都会なら交通費に関する助成や福祉乗車券みたいなのがあって、割引や免除があるから、
家の近くから作業所まで公共交通機関が繋がれば自力でお金をかけずに通うことができる。
しかし田舎は作業所に行くだけで市町村をまたぐ場合もあるから、割引はあってもそもそも運賃が高めなのでどうしようもない。
テレビもある、ラジオもあるが車はそれほど通らないし交通網は街を網羅していないし、そもそも駅に行くだけで難儀する。
田舎だから駅前に作業所があるなんて甘い事もないし、まず駅があるとも限らない。
そういう場所なら少なくとも最寄りのバス停から送迎を頼むか、と言ってもバス停に着くことすらままならないのが現実である。
そもそも山奥に施設を配置された場合、車か原付でもないと作業所に到達できない。このガソリン代も馬鹿にならない世の中で。
工賃もA型に比べれば下がることがほとんどなので場合や通う頻度によっては移動だけで工賃の結構な割合が飛んで行ってしまう。
施設からの送迎は無料になるが、それは運良く送迎ルートに車がやってこれた場合の話である。田舎はつらいよ。
というわけで最低賃金までいかなくてももうちょい働けてもうちょいお金がもらえるA型とB型の間くらいの作業所はないか、
ただでさえA型なんて瀬戸際に立たされたり、実際に作業所自体が倒産して自分が解雇されたこともあったので、そもそも存続自体簡単ではない。
障害者福祉なんて崖っぷちみたいなものですが、働ける気がしない人のセーフティネットでもある。
今や最低賃金が急に上に動き出して物価に追いつこうとしている。年金はあるが年金は急には上がれない。
上がれないから生活保護と比べても何かと貧弱な扱いになる。
B型の作業所の工賃は最低賃金と特に連動もしないし、上がるとか下がるとかは事業者の裁量によるので、
メンタルが悪くなり急に休んでもいいし、ノルマや無理な労働をしなくていいから、それと引き換えで抑えめ、みたいなものである。
当然普通に働くよりは低い傾向にあるから、年金の支給を前提にした制度である、と言っても過言ではないかもしれない。
もしも身寄りもない、連帯保証人も確保できない、となれば、年金が申請しても通らなかったら最早生活保護にするしかないだろう。
お金が欲しい!という強迫観念はないが、もう少し余裕を持って過ごしたいものである。
誠に遺憾である。