何か年末までに紙の健康保険証を廃止して全部マイナンバーカードに統一するとか何とか決まっている。
それ保険証を紙じゃなくてちゃんとしたカードにすれば済む話なんじゃないですか、と、
国保の薄い紙ペラにしか見えない保険証を持っている人間は言う。
なんとか紙のペラペラなのを紙っぽくなく扱いたいがためにラミネートをかけたり、ケースに入れたりして、ちょっと豪華にして、
レシートを捨てたりお金を払ったりするついでに健康保険証を誤ってその辺に捨てないように気を配っているが、
最近病院でも薬局でもマイナンバーカードの提出が半ば義務化されるような言い方をされるので、心の中で「言い方ァ!」と叫びながら、
マイナンバーカードに保険証の機能を持たせる手続きは済んでいるから黙々とマイナンバーカードを機械に入れて読み込ませる。
別に私のように情報機器に適応できる人はいい。なんだかんだでついていけるから。
問題は何か新しい機械が増えるたびにそれどう使えばいいかと聞かなければいけない高齢者や知的障害者の方である。
「LINEの手続きどうすればいい」とか「画面が急に消えた」とか「沢山あるアプリどうすれば消える」とか、
自分で調べないで急にスマホを渡されてどうにかしなければならなくなるから本当に疲れる。
やっとスマホにもなんとか適応しかけたら今度は保険証がなくなる。
なくなるから移行の手続きもしなければならないし、手続きの用語の横文字が何を言っているかわからないから一々聞かねばならなくなる。
話がわからなければわかるまで訊くしかないから時間は伸びるし後も詰まる。
マイナンバーカードを作成すればマイナポイントと言っていた頃に、役場に福祉関係の申請の手続きをしにいったら、
マイナンバーカード専門の窓口ができていたことがあって、そこだけ長蛇の列だった。話について行けない人があれこれ訊いている間、
何も話が進まないからドンドン来る人が何も出来ずに待つしか出来なくなるからである。
専門の窓口がなければ普通の転入転出、住民票などの書類を申請するのも難儀だっただろう。
それでなくても急に制度が変われば必ずどこでもついて行けなくなる人は出てくる。
ガラケーからスマホとか、物が変わりすぎて自分でも最初は抵抗があったのに、使い慣れていない人ならもっとキツいだろう。
今はそのガラケーも廃止して全部スマホになる。いずれそうなるとは言われていたが、なんとか機種変更しないでやってきた人々が、
ガラケーの形をしたスマホとか高齢者向けスマホみたいな機種変更とそれに伴う契約の変更などに、どこまで機械に弱い人々がついて行けるだろう。
それに追い打ちをかけるように健康保険証もマイナンバーカードに一元管理されるとか、まあお上は随分勝手なことを言う、と思う。
マイナンバーカードを作るだけでも楽には行かない人が一定数存在するのである。これに新たな手続きを加えればさらについて行けなくなる。
やるなら政府で勝手に関連付けの手続きをしてくれませんか、と手続きに右往左往している人々を見たから思うわけである。
なんでいちいち国民の用事というか手間を増やして頭をパニックにさせたいのですか。
そんなすんなりいくようだったら不備とか不公平とか特殊詐欺とかもっと減っているハズですから。
誠に遺憾である。