勝手に監視されたら破壊したいと思う今日この頃 | 隠者の庵

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自閉症スペクトラム(広汎性発達障碍)当事者が気ままに壁打ちで文章を書き連ねます。
あと趣味についても適当に書き連ねます。何故か見た夢も記述します。



何か子供部屋に監視カメラを設置したとかいう話があって、

何をするかわからない乳幼児の安全確保のためならまだわからないでもない。火元とか電気関係をいじって怪我をしてからでは遅いからである。

今回問題にされているのは受験勉強が始まる思春期ごろの子供部屋に監視カメラを設置したからである。

そんなねぇ、心のグラグラ揺れ動く時期に監視カメラなんて置かれるなんて自分なら瞬時に破壊したくなる。

プライバシーとは漏れるためにあるのではない。個人を守るために、個人が独立した個人としての生活を保障させるためにあるものである。

それを監視カメラを置いて監視しようとするならば保護者側にも監視カメラが必要になるだろう。相互監視しなければとても釣り合わない。

何故ならば一方的に個人のプライバシーが侵害されているから、罪というか専制政治を敷いて独裁体制を取ろうとしているのと同じであるから、

何というか、子供に「お前北朝鮮な」と言って見張っている、要するに信用ならない存在だと断定している訳である。

当然そんな一方的な主張は認められないし、親と子という関係でもやっていいことと悪いことは間違いなく存在するので、

オンブズマンみたいな権力を監視する装置も一緒に置かねばならない。しかし家庭内の成員なんて親と子供、稀に祖父母みたいなものだから、

結果として半強制的に子供が親を監視しなければならないのである。なんという理不尽か。

親が余計な監視カメラなんて置いたばっかりに心の成長を塞いでしまうなんて負債でしかない。

人には何からも確実に自由だと思える時間がなければ気楽にはなれない。例え親であっても時折離れて自由になりたい時間がなければならない。

「盗んだバイクで走り出す」のはさすがに限度を超えるが、家の中が心安まる時間・空間でなければ外に向かって走り出すしかないのである。

自分の部屋にいるのに自分の部屋が「自分の」部屋でないことを噛みしめれば噛みしめるほど、権力構造に不平不満を抱かざるを得ない。

そして誰にも縛られたくないと逃げ込んだこの夜に自由になれた気がしなければならないのである。カメラがあればとても心休まらないだろうから。

子供に隠す秘密を持つことも許されないなら、同様に親の秘密なんてあってはいけない。

それだけの事をしている自覚がなければ、そもそも親としての適合性を疑う。

何かネットで調べて銃火器や爆弾を密造しているとか、デスノートを書いたりなどの重大な犯罪、

薬物やタバコや飲酒、いじめ、恐喝、暴力行為、万引き等の窃盗、美人局、出会い系の何か等素行がとことん悪いなら話は別になるが、

受験勉強しない、サボる事を気にする程度でカメラを設置しなければならないとしたら、

一体世の中にはどれだけ監視カメラをくまなく配置しなければならないだろう。

そしてカメラを破壊したいと思い実行に移し、親と喧嘩になり、決定的な溝ができて、積木くずしのように関係が壊れていくのである。

人の部屋に勝手に監視カメラを置くなんて実に一方的な主張、正義の押し付けでしかない。息苦しさも憂鬱も感じるだろう。自由ではないから。

たとえ反抗期というものがそんなに実感出来なかったとしても、個室に監視カメラを置かれるなら反抗期でなくても反抗すべきである。

設置するとしても共用空間とか防犯のため、万が一のことがあっても対応できるような程度で留めておかなければ、人間としての信用に関わるだろう。

誠に遺憾である。