私が苦手な人というのは多分普通の人よりは多いだろう。著しく多いだろう。
無闇に近づいて来たり、妙に馴れ馴れしくなったり、常に一緒にいないと落ち着かなくなったり、
というような経験すらしたくない、私の天敵はそのような距離感がバグっている人々である。フレンドリーであればあるほど落ち着けなくなる。
急に家にやってきたり、急に連絡をとって返したと思ったらまた返信してきたり、何か微妙に話の切り時が分かりにくい人、
面倒なことこの上ないが、急に切っても空気の読めない扱いをされて変な噂でも流されたら困ると思って切れない。
私の精神にとって一番大事なのは人間との遠い距離感を保つことである。何なら無風が一番いい。
仕事ならば常に何かトラブルや相談事があるか分からないから、必要なコミュニケーションのため待機していなければいけないし、そのようにやる。
しかしそれは仕事だから、極端に言うとそれでお金を貰っているから、そうしないと和を乱すからそうしているのであって、
プライベートでそんなことをすれば精神が汚染されるぞ、と言いたいわけである。
仕事は仕事、家は家、家にいる時は他人との距離を遠くとって、一人でできる事をして、自分の精神を回復させているわけである。
そこに突然人がやってきた、連絡をとってきた、何か用事を持ちかけられた、となると私は休んでもいられなくなる。
休暇がストレッサーから解放されるという事であるならば、あらゆる人から離れることが私にとっての解放である。
趣味とかプライベートとか全部一人で済ませるように完備しているのに、そこに他人を持ち込まれても早く帰ってくれないかな、となるだけである。
実際一人暮らしをしていた時に来たのは家族と福祉関係のメンターが数回と、定期的に来る家庭薬の訪問くらいで、
通販とか意地でも頼みたくないし、配達とかがあるならば、その辺に置いといてほしい。所謂置き配、というやつである。
玄関のベルわざわざ鳴らさなくていいから、とは何回思ったか知らない。線を切って生活できるならばそのようにしておきたい程度である。
コンビニに置いといたらメールが届いて、勝手にその内取りに行けたら、とは思うが田舎なのでそんな便利なコンビニはない。
極論街中で出家しているようなものなので、私の家の中から一歩でたらそこは俗世である。
じゃあ山奥に住んだらいいじゃんとか思うが、自分で移動可能な行動範囲なんて、お金も交通機関もないから地元からあまり離れられない。
あと主治医のいる病院との位置関係とか、あまり生活を刷新すればしたで手続きが増えて落ち着かなくなる。
しかし地元なんて文字通り田舎、以外どう表現したらいいか不明なので、少し離れれば熊やその他野生動物に襲われる程度に山と畑ばかりなのである。
野っ原に程度のいい廃屋とかないですか、適宜管理しますよ、とか意味不明な供述を繰り返しながら過ごしている。
と言うか過疎化で田舎なんて腐るほど廃屋があって文字通り腐っているので、人が住まなくなると建物はあっという間に朽ちていくものだと思いました。
まあ自分は人がいると荒廃するんですが。誠に遺憾である。