金があったらいいグラボくらいは欲しいと思うが、そこから先に欲しいものがない。
車は前と後ろと右と左に進めばいいし、ブランド品を買ってもその辺に吊るすだけだし、
何なら人間関係も断捨離してミニマリストになっても何ら苦痛ではない。むしろ無理をして人間関係を維持しなければいけない方が苦痛である。
そこまでの苦痛を背負って私に何か利益でもありましたか、と言われてすぐに説明できる事柄もない。
可能な限りぶん投げるものはぶん投げたままにしておいて、ストレスフリーに過ごしたい。
そしてその内死ぬべき時に死ねばいい。
何のために生きるのが大事か、と言われて、お金とか世間的な成功とか業績とか言える人は幸いである。
それで良ければその人にとってはよいが、辛ければ持たない生活をしてもいいじゃないか、
何で一律で成功しなければならないのか、一律の成功を得るために奔走しなければならないのか。
お金があるに越した事はない、という事を前提にしても、過酷な環境に自分を置いてまで、何を得られるのか、
金の為に心を病んで引っ込まなければならないとしたら、病んだ時点で精神に負荷がかかっていて、その環境は合っていない、ということになる。
適応障害やうつ病にせよ、治療した先にまた罹患前のビジョンしか見えなければ、金と時間をかけて治す意味を見出せるのか。
本来現実とは虚無である。目的である意味とは目的であるように見える、という事である。
そんなの関係ねぇ、というように目の前の動物や植物はあっさり死んでいく。
人間だけ価値を問い続けるのが無意味だと言わんばかりに。なぜ人間は何かに依存してまで価値を追い求めなければならないのだろうか。
モチベーションなんて目の前の畑を耕したいとか、なんか自力で調理して自己責任で食べる、とか、お金とか成功とか関わりのない部分でいい。
学歴とかビジネス的な成功とか、やりたい人がやればいいし、やりたくない人を巻き込まないで欲しいと思うのである。
世間という波に流されないで自分の根を張って自分らしく生活したいだけで、世間から後ろ指を刺されるのであれば、
画一的な価値観に染まり切って疑問にも思わない人間達の傲慢さだ、と思うしかない。
そういう一般的な価値観、にそぐわない人は私のように疎外感を抱くだけである。何でそんなことをしなければならないのですか、と。
目的が目的としての意味や役割を果たしていないのにそれを追い求めようなんて、砂上の楼閣にしか見えない。実に虚しい。
そこに行ったところで達成感も何もないものを、飢えた獣のように追わなければならないとしたら、何たる不合理であり理不尽であることか。
ドラッカーとかカーネギーとか読めとか言われるが肌に合わないものを読んで鳥肌が立つようであれば本当にどうすればいいか。
それは即ち世間と自分の価値観が根本的に合致していない、すれ違いどころか反目しあっている、
自分にとって要らないものを追い求めさせられることのなんと不幸なことか。
自分で作った食事を食べて、一人で読みたい本を読み、一人で詩文を嗜み、朝に起きて夜に寝る、
私にとって成功とはそのような類のものである。生きるだけ以外になんか特別な課題でもあるわけでもないのに、
人は無闇にそれを追い求めようとする。追えない人にも背負わせたままで。誠に遺憾である。