身体とか知的とかは不可逆的な状態にあるので、一回障害者手帳の申請が通れば更新する必要はない。
重くなったら再申請しなければならないが、基本的に一回発行されれば何もなくてもそのままである。
然るに精神障害者というのは病状の審査を通して二年に一回は更新の申請、場合により医師による再検査、その他モニタリングをしなければならない。
忘れたら何があっても即健常者にクラスアップ(?)である。
そんな事にならないように期限が近付けば何かの知らせが届くはずなのだが、何故か来た記憶がなく現在に至る。
ズボラな性格だから何処かに放置してそのままというのも十分あり得るから困る。
しかし結果的には制度的には数ヶ月健常者になっている。あくまで制度上の話で、別に何か精神的な何かが進展したわけでは全くない。
ひどい記憶障害の人が手続きの紙の存在を忘れてそのままにしたらそれでも健常者になるのであろう。
もちろんうつ病のように休んだり薬を飲んだり環境を改善する事で病状がよくなって寛解に至る場合もあるから、
あるいは妄想とか酷かったのが投薬で感情をコントロールできるようになったとか、そういう本当に良くなる例もあるから、
精神の手帳は定期的に更新しなければいけないのもわかる。
しかし何の連絡もなしに放置されて気がついたら障害者でなくなる、別に病状がよくなったわけでもなければ、新しい治療が効いたとかでもない。
時間が精神障害者を精神障害者ではなくしたのである。中身はちっとも変わっていないのに。
中身は間違いなく発達障害であるが、制度的には更新を忘れてしまったら障害者でもなんでもない。
発達障害の中でも自閉症スペクトラムは改善、というか外面だけなんか良くなったように見えるのは単に学習で取り繕っているだけである。
中身は成長はするが普通の、正常のと比べればどうしても見劣りしてしまう。
しかし発達障害で精神障害を成人期に申請して通らせるのも楽ではないので、主に二次障害で背負ったうつ病とか適応障害で精神の申請をする。
そうなると主症状がうつで通るから、先述のように治療で寛解する可能性があるから、定期的に更新はしなければならなくなる。
本当に抱えている、うつの原因になる発達障害には薬などもなく、ほぼノータッチにならざるを得ないし、
気質的にそのままだから改善をするにも先に二次障害をどうにかしなければならない。
発達障害は急に悪くなったりもしないが生得的なものであるため基本的に一生ものである。
従って期限が切れて制度的に精神障害でなくなったとしても本質は変わらない。
仕方がないので役場に出向いて再申請をしに行った。健常者として順当に生きられるのであれば成人期に仕事につまづいたりもしなかっただろう。
しかし実際につまづいたり周囲を巻き込んで大惨事になったり取り返しのつかないことになったから順当に精神科に通うことになったのである。
なんか税金を滞納した時に来るような、けったいな色の督促状でも来るのかと思ったらそんな事もなかったぜ。
誠に遺憾である。