テストが目前にあるというのに、特に勉強する気も起きず、
自宅のすぐ近くのカラオケボックスに入った。
もう夜である。深夜料金になっていたが、特に構わなかった。
案内された部屋の中に入って適当に歌って時間を潰したらすぐに終わりの時間が来て、
受付に行ってお金を二万円払って、そのまま深夜の街に放り出されたが、
かと言ってすぐに帰る気もなく、テストなどどうでもいいという気持ちで別の店に行き、
深夜の勢いで方言しか使えない店に行き、当然(?)出身地が違う店員とは何の話も出来ず、
カウンターしかない店内に一人で座りながら、店の中に流れる放送を聞き、
何処かの駅で爆破事件が起きて必死に逃げまどう人々の映像を眺め、
注文した何か知らない物体をつまみながら、また適当な時間を過ごした。
もう朝の方が近い時間になっていたが、勉強とか本当にどうでも良くなった。
店の会計を済ませて、外に出た時、もう留年も辞さない気分になっていた。