毎回毎年親がもしいなくなったらどうしようかとか、不吉極まりないけれども、
自分も年をとっていくから、生命に限りがあるようなことを事ある毎に思うようになるし、
実際自分が先に死なない限りその時期は確実にやってくる。
これで普通に(健常者として)それ相応の収入を得て、家庭などの責任がある立場にいれば、まだとやかく言われないだろう。
問題は自分が障碍者であるということである。それも二級、という障害としてはかなり上、というか、
上にはもう一級しかないが、一級とは、早い話が自分で生活を組み立てられない、それ以前に生活を意識すら出来るかどうか、
家から出て無事で終わるという保証がどこからやってくるのかが一切不明なレベルである。
病院の中で隔離しておいたら色々人権に関わるけれど、だからと言って解放すれば大変なことになるレベルのすぐ下に自分がいる。
2級、というレベルというものも、そもそも平和で済む保証もどこにもないのである。
親が仮に亡くなったとして、遺産とかの話になっても話がまとめられるかもひどく不明瞭だし、仮に土地や資産があったとして相続するとしても、
自分が本当に維持、管理しきれるものなのか。税金を出せと言われても場合によっては出せるほどの資金もないかも知れない。
なにせ年金生活者である。親より先に年金をもらう程度の年金生活者である。
半分「お金はあげるからあまりはしゃぎまわらないように」と暗に言われているようなものである。
そんなやつに財産とかを管理できる能力があるのだろうか。いやあってたまるか。
相続があるに越したことはないが、相続を管理できる能力があるかはまた別の話である。
あまりに煩雑事が多かったり、管理するのに自分の分を超えた資金(主に税金)や労力が求められるのならば、
相続を破棄して親族と縁を切り、どこかの見知らぬ場所で生活保護でも受けているほうがいいかもしれないとか、
あまりにあんまりだけれども、出来ることを考えたら逃げるより他はないんじゃないか、とか思う。
免除とか控除とか色々あるかもしれないが、流石に年金だけでどうにかなるものでもない。
自分が生活無能力者だ、ということは薄々自覚している。別に言い争いとかしたいわけでもないし、
強情に出てあれこれ立ち回ろうと思うだけで何だか体がだるくなってくる。
負うものは出来る限り少ないほうが、後々後腐れしないで済むだろうし、自分の責任についてとやかく言われないで済む。
分を超えた欲望は、往々にして自らを滅ぼす業火となりうるのである。