玄関から子供たちが列をなして入って来る。
私が見ているのは多分四月の新学年か入学式の時期だろう。
背丈や風貌から中学生であろう。真新しい制服に身を包んでいる。
彼らを指導する側として、自分は立っているのである。
生活指導の新入生向けの話が終わった後、教室に戻り、
色々新任のあいさつとかをするはずだったのだが、
そこに自分とは合わないタイプの人間、というか本当に相性の合わなかった見覚えのある顔があったので、
会話を進めるとすぐにトラブルになり、そのまま喧嘩になりかねない勢いだったので、
同僚にその辺を説明したら、ああ、それリセットしますか、多少代償は必要ですけど、
と言われたので勢いではいと答えたら、時間がリセットされて、
さっきまでいた新入生が全部入れ替わっていた。
ループもののように同じように生活指導の話しが終わって、
同じようにホームルームの時間になった。
先ほどとはうってかわって、風貌から何から何まで優等生、みたいな感じだったが、
そうなっても自分が自分でミスを連発するため、同じように訳が分からなくなっていった。
しまいには収拾がつかなくなったので、「私は悪魔だ」と叫んで教室を後にしていった。
それから教室に戻ることはなかった。
もう自分は何もかもが嫌になったようである。