左官ブログ No.2589「かきりしんの大切さ」 | 井上左官工業の現場ブログ

井上左官工業の現場ブログ

奈良県の左官屋さん。ジュラク塗り・漆喰仕上げ・掻き落としやカラーモルタル・土塀の修復・塗り替え工事や左官の未来など、日々の現場報告や最新の左官情報などをUPしていきます。

おはようございます。SNS発信と内容が被ってしまいますが、Instagramでは詳しくはご紹介できないので、ブログでも書いていきたいと思います。しまうまプリントというフォトブックをつくれる所で、かきりしんのカタログ冊子を作りました。自分でいうのもなんですが、施工写真やかきりしんの持つ価値観を記載した、渾身の48ページです(笑)。

 

 

興味のある方には郵送させて頂きますので、お気軽にご連絡下さいませ。左官塗り壁の家を増やして「左官の未来を明るくする」取り組みの一環です。

メール info@isakan.jp までご遠慮なく。

忙しい最中に、こうして現場を振り返り、工法や素材のことを考える時間も大切だと思います。

 

 

町場左官(住宅や小規模店舗などをする左官屋さん)の井上左官工業は、野丁場左官(ビルやマンションなど大型建築の左官屋さん)とは異なり、住宅建築における左官壁の採用が生命線と言えます。多くのハウスメーカーから左官仕事が無くなり、省力化・工場生産化していく社会の流れのなかで、風前の灯火のような町場左官の未来です。

 

 

しんどいし、汚れるし、リスクも高いし、ビッグマネーなんてあり得ないし。と働き手不足と重なって次世代の育成が厳しくなっています。でも、大切なこと、伝えていきたい事、守りたい事は変わりなく、それらのことは多くの方が共感してもらえることでもあり、少なからずこれからも残っていくものでもあります。ただ残念なことに、左官が行ってきたすべての技術を全て遺していくというのは、すでにほぼ不可能になっています。

 

 

時代の変化や技術の進歩に伴い、左官でしか出来なかったことが、それ以外の選択肢もある時代になり、コストも結果も良いのなら、それは時代の流れであり、逆らい抗うものでもないのだろうと思います。

ただ、日本の住宅の外壁において、人と自然に優しく、長持ちで、継ぎ目なく、年月を経ても美しく、そして日本らしい風景を損ねない左官による壁。これはこれからも失われてはいかない。

 

 

それは私の勝手な希望的な観測で終わらないように、出来る範囲で手を打っていく。たかが冊子で話がでっかくなってしまいましたが、お希望される方あまり期待値を高くされないようにお願い致します(汗)。

 

・・・井上左官工業では、土蔵・土塀の修復再生を積極的に推奨しています。
また聚楽壁や本漆喰など、伝統左官工法の継承にも取り組み、昔からある風景、
日本らしい住まいを大切にしていきます・・・http://www.isakan.jp/