井上左官工業の現場ブログ

井上左官工業の現場ブログ

奈良県の左官屋さん。ジュラク塗り・漆喰仕上げ・掻き落としやカラーモルタル・土塀の修復・塗り替え工事や左官の未来など、日々の現場報告や最新の左官情報などをUPしていきます。

おはようございます。SNS発信と内容が被ってしまいますが、Instagramでは詳しくはご紹介できないので、ブログでも書いていきたいと思います。しまうまプリントというフォトブックをつくれる所で、かきりしんのカタログ冊子を作りました。自分でいうのもなんですが、施工写真やかきりしんの持つ価値観を記載した、渾身の48ページです(笑)。

 

 

興味のある方には郵送させて頂きますので、お気軽にご連絡下さいませ。左官塗り壁の家を増やして「左官の未来を明るくする」取り組みの一環です。

メール info@isakan.jp までご遠慮なく。

忙しい最中に、こうして現場を振り返り、工法や素材のことを考える時間も大切だと思います。

 

 

町場左官(住宅や小規模店舗などをする左官屋さん)の井上左官工業は、野丁場左官(ビルやマンションなど大型建築の左官屋さん)とは異なり、住宅建築における左官壁の採用が生命線と言えます。多くのハウスメーカーから左官仕事が無くなり、省力化・工場生産化していく社会の流れのなかで、風前の灯火のような町場左官の未来です。

 

 

しんどいし、汚れるし、リスクも高いし、ビッグマネーなんてあり得ないし。と働き手不足と重なって次世代の育成が厳しくなっています。でも、大切なこと、伝えていきたい事、守りたい事は変わりなく、それらのことは多くの方が共感してもらえることでもあり、少なからずこれからも残っていくものでもあります。ただ残念なことに、左官が行ってきたすべての技術を全て遺していくというのは、すでにほぼ不可能になっています。

 

 

時代の変化や技術の進歩に伴い、左官でしか出来なかったことが、それ以外の選択肢もある時代になり、コストも結果も良いのなら、それは時代の流れであり、逆らい抗うものでもないのだろうと思います。

ただ、日本の住宅の外壁において、人と自然に優しく、長持ちで、継ぎ目なく、年月を経ても美しく、そして日本らしい風景を損ねない左官による壁。これはこれからも失われてはいかない。

 

 

それは私の勝手な希望的な観測で終わらないように、出来る範囲で手を打っていく。たかが冊子で話がでっかくなってしまいましたが、お希望される方あまり期待値を高くされないようにお願い致します(汗)。

 

・・・井上左官工業では、土蔵・土塀の修復再生を積極的に推奨しています。
また聚楽壁や本漆喰など、伝統左官工法の継承にも取り組み、昔からある風景、
日本らしい住まいを大切にしていきます・・・http://www.isakan.jp/



 

おはようございます。先日お仕事をさせていただいたお店を訪れることがありました。仕上げたカウンターの現状確認と、完成写真を撮らせて頂く「仕事」のはずが、ちゃっかり昼ご飯も食べてきました。開いている日よりも、お休みの日が多いお店なので、なかなか自分の都合と合わなかったのですが、西宮へ向かう用事もあったのでお伺いしました。「senの台所」

 

 

他のお客さんも沢山おられて、そのお客さんとの会話の中で、店主から「笑顔でいられる範囲で働く」という言葉がありました。「これ以上無理をしてお店を開けたら、笑顔でいられないかしれないから」と。

今の私にはとても考えさせられる言葉でした。人材育成・技術継承という取り組みの中で、優しさなのか、ただの甘やかしなのか、という判断は毎日ある。若手の心と身体を守るために、ルール変更をしたばかりです。

 

 

「働くこと」という考え方はひとぞれぞれ違っていて、雇う側と働く側ではその差はさらに大きくなる。それを決めるのは社長であり親方であった時代から、今は働く側がそれを決める時代になっています。それ自体は、心の病やパワハラなどの悲劇を繰り返さないためには、とても良い事だと思います。でも現実はそんなに甘くない。お店で出された「むしやない」は、味はもちろん、温度、時間、空間ともに、一流店のようでした。

 

 

大切なのは、そこなんじゃないかと思う訳です。自分の信じる道と積んできた経験、学んできたこと、支えてくれる人。それらが一つの方向に向いたときに、ようやく自分で選んだ道が拓けてくるものだと感じています。

ただ、多くの場合はそこに達する前に間違えてしまうから、それを夢だとか抽象化していまい、余計に難しくしてしまうのも現実だったり。

久しぶりに芯の通った店主と出会い、考えさせられた一日となりました。

 


まだまだなのは自分自身。間違える事も多い。頑張ろうと思います。

・・・井上左官工業では、土蔵・土塀の修復再生を積極的に推奨しています。
また聚楽壁や本漆喰など、伝統左官工法の継承にも取り組み、昔からある風景、
日本らしい住まいを大切にしていきます・・・http://www.isakan.jp/

おはようございます。新年早々に自然は容赦ないですね。そんな自然のなかで生きている者として、それを正しく理解しどのように生きていくのか。元日から考えさせられています。また倒壊しているのは昔ながらの土壁に瓦屋根の家ばかり・・・。でもね、また使えるんだ土も瓦も。自然にも還せるんだ土壁は。被災された方への支援は適切な時期をみて、そして頑張って働いて社会を良くしていく。そう心を改める朝です。

 

 

さて!令和6年が始まります。井上左官工業はもう少しお休みを頂いていて、新年は9日より元気にスタートすべく、充電期間となっております。慌ただしい日々が始まる前に、今年の目標や力を入れていきたい事を書いてみたいと思います。

今年の目標は「自分に厳しく、人に優しく」としました。私自身への戒めでもありますが、左官職人に限った事ではないと思いますが、職人として、この先生きていく為に、改めて考えておきたい事だと思います。

 

 

左官職人が減り、左官による工期の遅れであったり、「なかなか来てもらえない、いつも忙しいと言っている。」など、ご迷惑をお掛けする事が多くなってしまっています。バタバタと毎日毎日隙間なく詰め込み、もっと遅くまで走り回っていれば、もっとスムーズに出来る部分も少なくないのですが、今はひと昔前と比べ、求められる品質がとても高くなっています。慌てることで、仕事が荒くなったり、もうひと手間が失われたりと、気を付けていても、どうしてもそうなりがちです。

 

 

だから現場仕事には余裕を持たせ、無理のない、しっかりと丁寧に仕事が出来る環境を整えるようにしています。でも、大切なのは「そこで自分はどうするか?」が問われる時代になっています。「休憩が長く帰るのが早い」ではなく、より井上左官らしく、親切に、丁寧にを心掛けるかどうかには、自分自身の将来が掛かっています。「あの職人さんは嫌です、他の人に来てもらって欲しい」と言われるようでは話にならない。あくまでも自分の将来は自分の心掛け次第なのが、職人の世界だと改めて確認する一年にしたいと思います。

 

 

なにより、親方である私自身が「連絡しにくい人間」になっていてはいけない。より謙虚に、自分を律して、小さな事も頼みやすい職人になっていきます。まずは自分から!。そうする事で周りも自然とそうなっていく。を目標に・・・。

年始からハードルを上げ過ぎですが(汗)。まぁ、まずは目指さないと、そして何か一つでも始めていく。すべてはそこから。

 

 

今年も昨年と同様に勝尾寺に家族で初詣でした。昨年のだるまさんに目を入れ、お礼を述べてお返しして、そしてまた新しいだるまさんがやってきました。毎年のお伊勢さん参りも今朝早朝参拝を済ませ、いよいよ仕事始めを迎える準備をしています。ブログよりもインスタグラムでの情報発信の方が多くなりそうですが、本年も井上左官工業を宜しくお願い申し上げます。

 


・・・井上左官工業では、土蔵・土塀の修復再生を積極的に推奨しています。
また聚楽壁や本漆喰など、伝統左官工法の継承にも取り組み、昔からある風景、
日本らしい住まいを大切にしていきます・・・http://www.isakan.jp/


 

今年も残すところあとわずかとなりました。毎日更新を掲げるこのブログの更新も年々少なくなり、「小さなことからコツコツと」を長く続けることの難しさや、「自らを律する」ということの本当の厳しさを痛感する日々です。時代や環境は変わり続けるもの。そんな事は当たり前のこととして、それでも変わらず貫くものを未だに持てていないのだろうと反省しています。今年の現場の写真を整理しつつ、それぞれの現場での良かった点や至らなかったところを振り返り、これからどうそれを活かしていくかを考えるのも大切な時間かもしれません。

 

 

今年は土壁に触れる機会がとても増えた一年でした。設計に土壁仕上げを記載して頂いている図面を見る事も多くなっていると感じます。また、こちらから「中塗りは土壁で行います」と土壁を勧める場面もあり、これから先の左官の将来を見据え、少しずつ土壁と漆喰が復活していく為のアプローチもありました。ただ、チリ切れという土壁+漆喰のウィークポイントに対する今後の対策なども考えないといけない場面も増えていると感じています。

 

 

社会が求める完成度は上がる一方です。手仕事の良さは「完璧でない優しさ」という側面を「言い訳」ではなく「価値」として表現するには、壁に向き合う姿勢や道具の扱いなどの所作といった、左官職人としての考え方がとても重要になってきているように思います。まぁ当たり前といえば当たり前のことなんですが・・・。受け継がれてきた伝統的な技法に関しても、あらゆる昔ながらの素材の確保が困難になっている現状のなかで、昔のやり方のままでは同じ結果を生み出せないという不安も大きくなるばかり。

 

 

技術革新が進み、現代にはもっと良い素材もあるはずなのですが、伝統的な工法にそれらを持ち込む事にはどうしても賛否がある。懸命に一人前になろうと努力を続ける若い衆に、「左官の未来は明るいぞ」とバトンを渡すために、伝統に革新という挑戦をして、これからを作り出していく責任は重たいものです。

僅かでも「一歩前に」をこれからも意識して、また来年も難しいことに挑んでいきたいと思います。来年のテーマも決めました。また年始に書こうと思いますが、まずは「自分から」を心掛けて参ります。

 

 

井上左官工業では12月29日~1月8日までお休みを頂きます。今回は日祝を含むので連休が長くなります。新年は9日から頑張って参ります。また来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

・・・井上左官工業では、土蔵・土塀の修復再生を積極的に推奨しています。
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随分と久しぶりのブログとなってしまいました。前回のブログは8月にお盆休みのご連絡を書いていたようです(汗)。ブログは滞っておりますが、何とか元気に日々井上左官らしさを追求して頑張っています。今年も色んな現場を経験させていただいていて、今までのようにブログで詳しく紹介もしていきたい所ですが、このご時世、なかなか難しい面もあり、情報の発信には相変わらず悩んでいるところです。

 

 

FacebookとInstagramでの情報の発信は続けています。不定期ですが毎月2回は更新しようと取り組んでいるところです。写真と抽象的な短い文章だけなので、お伝えしたい事を少ししか表現出来ておりませんが、それはそれで良い面もあり、ブログもそれらとの両立をきちんと出来るように頑張っていかないといけませんね。頑張ります!

 

 

それにしても目まぐるしい日々でした。ようやく現場漬けの毎日から、ひと息つけるようになり、年賀状やら溜まっているデスクワーク、来年の事をじっくりと考えることが出来るようになりました。そうしてこうしてブログを書いています(笑)。今までの様に「この素材を塗って欲しい」という指定ではなく、「なんか良い感じの仕上げあります?」「こんな雰囲気の壁出来ます?」といった、オリジナルを提案する事も増え、その分サンプルも施工も悩み苦悩の毎日でした。

 

 

やった事ないものに取り組むには勇気も要ります。起きる失敗を想像して、それを防ぐ取り組みを考え、狙った通りにやろうとしても、想定通りに出来るのは7割程度で、3割は想定外で慌てふためく(汗)。でも有難いことで、決して完璧になんて出来ていないのに、認め許して下さるからまた次に挑戦が出来る。本当に有難い事です。それらは経験値として力になって成長出来る。

 

 

これからもしっかりと考えて、想定外を3割から2割へ、そして1割へとしていけるように取り組んで参ります。今年一年を振り返るにはまだ早いので、年末までにはまた今年の総括と来年の事を考えてUPしていこうと思います。取り急ぎ今日は生存報告まで(笑)。

・・・井上左官工業では、土蔵・土塀の修復再生を積極的に推奨しています。
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