昭和時代に名機「ローラースルーゴーゴー」というキックボード(キックスケーター)の大先輩がありました。何と、開発したのはホンダです。とても素敵な乗り物でした。
元々はチェーンの無かった時代に足で地面をけって進む自転車の先祖が19世紀のドイツで発明され、そこから枝分かれしたのだそうです。
ところが、高度経済成長期の日本の自動車社会とモラルはまだまだ発展途上であり、トラック巻き込み事故をきっかけに社会から危険な乗り物ということでバッシングを受けることになりました。大流行したのに、突然生産中止になりました。
しかし、あの便利さと楽しさは忘れられません。学生時代には折り畳み式のものがあれば、電車で持ち運べるので便利だなあと思っていたものです。
と言うのは、私が通っていた学校は2時間半以上かかりましたし、駅までがかなりの距離でしたから、いつもローラースケートを履いて通いたいと思い続けていたのでした。それで、当時はインターネットがありませんでしたので、アウトドア雑誌を読み漁って似たような道具は無いものかと探していたのです。
そこで見つけたのが、こういうやつでした。
大きくて1メートル以上ありました。その雑誌でも通勤に使えるかどうかの実験をしていましたが、結局は「大きすぎて持ち運びには適さず、混んでいるところでは迷惑になりかねない」と言う結果だったのです
当時からスケートボードやローラースケートの部品はありましたから、自分に金属加工の知識と技術があれば自作していたと思います。
これはアメリカ人がローラースケートの部品を流用して自作したものですが、イメージ的には似ています。
誰かもっと小さいのを作ってくれないかなあと、思っていた間に歳月が流れ、待ちに待った折り畳み式でアルミ製の高性能タイプが発売となりました。でも、当時は高かったです。これが初期型ですが、二万円近くしました。自分でシールを貼ったり(バイク雑誌の初代メンバーがもらえたステッカー)、自転車用のベルを付けたりして改造していました。
嬉しくて、銀座の歩行者天国や渋谷の109周辺の繁華街なども乗り回していました。
今では大人が乗っていると、「子供が乗るおもちゃなのになあ」と笑われますが、発売当時は子供用ではなく、大人の玩具として売り出されたのです。原宿などのカフェやブティックの店員さんたちもちょっとした近場の移動に使っていたものです。逆に子供がこんな高価な乗り物に乗るなんて10年早いと思っていましたよ。
その後、自宅用と車に常時積んでおくためのもう一台を購入しました。その頃には値段が10分の一くらいになっていたので腹が立ちましたね。
夏などは飲酒で車やバイクの運転をしないように、自宅から3駅くらいは平気で飲みに行っていました。何度か夜間の路上でこけているので、その後はライトも増設しました。
かなり大事に乗っていたせいか、車体もホイールも良いコンディションを保っていましたが、ホイールだけは劣化を免れません。今回も一台のホイールがボロボロになったので交換することにしました。
一台のものは前後ともボロボロで、もう一台のものも透明だったものが黄色く変色しています。そこで、全部新しい黒いタイプに交換することにしました。ハンドル部分のゴムハンドルカバーも劣化していたので交換することにしました。
ジャジャーンできあがりです最近は改造用のパーツも豊富ですし、値段もこなれてきているのでありがたいです。
欲を言えば、プラスチックではなくて空気の入ったゴム製タイヤが欲しいところです。最近は車もホイールのインチアップ(サイズを大きくすること)が流行っていますが、乗り心地を考えるとインチが小さく空気の容量が大きい方が衝撃を吸収してくれるのです。
今でも大きな会場の仕事や私用で大活躍ですが、これからも大事に乗りたいものです