大根の花(だいこんのはな) | Cobucim コブシム

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この地球大丈夫かな?
自然の中で起こる、日々の出来事です。

 

 

 

四枚花弁の縁を薄紫色がいろどり

 

そこ こことなく花散りばめられ

 

自由奔放に絡みつく花茎に緊張感はない

 

緊張感と言うよりも

 

下町の庶民的な香りがしてくるようだ

 

 

 

 

この看板娘のような花をどこで見たのだろうか

 

生まれて数十年の歳を重ねたのだが

 

どうも覚えが浮かんでこない

 

寿司屋の若女将ではなし

 

人気ケーキ屋のパティシエでもないな

 

 

 

 

一杯飲めば思い出すのかもと思いながら

 

盃を口に運ぶが今一つ記憶が蘇らない

 

確かどこかで見たはずなのだが

 

ぼんやりとベールに包まれてしまい

 

記憶の扉は開こうとしない

 

 

 

 

ちょっと待てよ

 

あの土に埋まっているものは何だろう

 

白くすべすべの・・・・・

 

どこかで見た事のある・・・はず

 

そうか、重量感あふれる・・・大根・・足?

 

 

 

 

そうだ、思い出した

 

お前は母が丁寧に皮をむき

 

下ごしらえをして

 

カツオの出汁の効いた鍋に放り込んだ・・・

 

そうだ、大根だ

 

ここで会うとは

 

今日はいつもと違う顔を見せてくれたな

 

 

女将さん、大根と竹輪とスジとこんにゃく

 

とりあえず、まずははそれだけ・・・

 

 

 

 

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