空木(うつぎ)の丸葉バージョンだ、と言えば一番分かりやすいだろ。
じゃ空木って何じゃ。
空木ってぇのは、木が空なんじゃ。
木の骨がなくて空(から)になっているんじゃ。
てぇと、ナヨッとした今の草食系みたいなものか?
葉が丸いから小太りの草食系てとこか。
だけどこいつは軟弱な草食系とは違うぜ
ビシッとした、いい面してるぜ。そう思わないか。
それにな、こいつの茎は硬いんや。昔は釘としても使ってたんだぜ。
軟弱な奴には真似出来ん。
空木(うつぎ)は、万葉集にはよく出てきた。
卯木(うつぎ)と書いたんだな。
で、この花のことを卯の花と呼んでいたんだ。
この花が旧暦の四月に咲くことから卯の花月とよばれ、卯月の呼び方になったそうじゃ。
卯木(うつぎ)は人の生活に密着した存在ということがわかったやろ
唱歌に『卯の花の匂う垣根に ホトトギス早も来鳴きて・・・・』とあるだろ。
垣根によく使われたんだな。
花が綺麗でよく目立つ、だから垣根に使ったんだろう。
その花にホトトギスが寄ってきたんだな。
最近はブロックばかりで垣根がなくなってきた。
ホトトギスもあまり声を聞かなくなった。
たまに声を聞いても鳴き方が下手くそになった。
やはり鳴くところが無くなってきて、練習不足なんやなぁ。
それと、うまく鳴く奴がいないから余計に
“俺はうまく鳴いてるんや”と勘違いしてるんやな。
もっと競い合わなくては上手にならん。
ホトトギス界も少子化が進んでるんやな。