池田和夫・金沢大教授らとの裁判が10/30 、控訴人準備書面2を提出/大学院講義受講生のコメント | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

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医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

池田和夫・金沢大学特任教授らとの裁判が10/30(水)
 控訴人準備書面2を10/18に提出しました
  大学院講義の受講生のコメント
   (医療事故63)


<10月28日夜追記:告訴状受理>

 脅迫罪での告訴状を18日付で受理したと、本日(10/28)午後6時過ぎに、金沢中警察署の担当の刑事さんから電話がありました。

 10月2日に初めの告訴状を提出し、16日に修正のご指示があり、17日に修正版をレターパックで警察署へ提出(到着)していましたが(郵便追跡)、担当の刑事さんが開封した18日付での受理ということです。

 初めに提出した修正前の告訴状は、受理せずに被害の届け出として扱う(実際に2日の提出後間もなく発信者情報の保有先と保存期間の確認などに着手されていて、既に被害届け出として扱っている状態でした)ということでした。

<10月28日夜追記ここまで>

1、今週水曜(10/30)の裁判のご案内

事件番号 名古屋高等裁判所金沢支部 令和元年(ネ)第78号
控訴人  小川和宏
被控訴人 池田和夫(金沢大学臨床教授)、他2名
期日   令和元年10月30日(水)午後1時30分
    (場所は、金沢地裁と同じ建物内です(兼六園の近く))


 「紹介状に付されたCTデータをすぐに捨てた」を扱っている裁判です。

 池田被控訴人は、「関節の左右差はないので捨てた」「亜脱臼はない」などと主張していましが、一審の尋問で「左右差がある」「亜脱臼は間違いでない」ことを認めました。

 ただし、その尋問調書(裁判所が作成する録音反訳。証拠になる)を用いずに一審が終結されるなどしたため、控訴審に至っています。

 医療裁判本体とも言える金沢地裁で一審中の裁判(山本憲男・金沢大学特任教授と1法人が被告)の、先月(9月)24日に行われた尋問で、長年の主治医で池田被控訴人への紹介状にCTデータを付した副院長が、「関節が約30%ズレている」ことを認めました。

 今月(10月)18日に提出した控訴人準備書面2の一部を、本記事最後の3でお示しします。

2、大学院講義と受講者のコメント

 大学院の担当講義があったことを前回記事で速報しましたが、
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12538752603.html
同じ授業を全員が受けてきている医学部学生の講義とは違って、大学院講義では研究の専門や経験が近い人や遠い人が受講生に含まれている可能性が高いので、どれだけ基本的なところから話すかどうかが難しいところです。

 今回はパワーポイントのスライドのべ約100枚を使って(印刷した配布資料は約80枚分)、前半は基本を中心に、後半は実験結果のデータや論文(300回以上引用されているものも含む)、近年取得した特許3件などを示しました。

 受講生からは、次を含むコメントがありました(元は英語で、小川による日本語訳)。

・基本から教えてくれて私には良かった。
・情報をくれて有難い。
・学部時代と近い話題で親しみやすかった。

3、上記1の訴訟で10/18に提出した控訴人準備書面2(弁護士作成)より

<一部引用ここから(裁判で提出した書面は全て実名です)>

1、CM関節が画像で約30%ズレていると、紹介者の米澤副院長が証言した

 控訴人小川の長年の主治医であり、池田被控訴人への紹介状を書いてCTデータを付した、◎◎◎病院の米澤孝信副院長は、本年9月24日に行われた、本件と事実関係の一部が共通する金沢地方裁判所平成28年(ワ)第325号事件の証人尋問において、控訴人小川のCM関節が画像で約30%ズレていると証言した。
 手の外科専門医である池田被控訴人が、紹介状に添付されたCT画像に写っていたCM関節の大きなズレを見逃すはずはなく、大幅な亜脱臼を隠蔽するためにすぐに廃棄したのは明らかであるし、当然に被控訴人らの診療契約不履行である。
 米澤孝信証人尋問調書は今月(10月)末頃に出来る予定であるので、次回(10月30日の次回)までに、米澤孝信証人尋問調書を引用して詳細に主張する予定である。

2、甲39のMRI画像におけるCM関節のズレの詳細な評価

(1)画像データで甲39の2および3と同様に計測して22.9〜24.0%のズレ

 本年8月3日に●●●病院で撮影した(甲40)MRI画像(甲39の1)について、画像データにおいて甲39の2および3と同様の計測をしたのが、甲41である。
 中手骨近位側の関節面の長さが14.05ミリメートル、大菱形骨(中手骨とCM関節を形成する手根骨)遠位側の関節面の長さが13.37ミリメートル、ズレが3.21ミリメートルであり、関節面の長さで割ったズレの割合は、それぞれ、22.9%と24.0%である。従って、手書きでトレースし拡大コピーしてズレの割合を計った結果(甲39の2および3)の23.1%〜24.0%は、正確である。
 米澤副院長が指摘した1.0〜1.5ミリメートルの差よりも実際には絶対値で2倍から3倍以上の大きなズレであり、割合も関節面の長さの約1/4という大きなズレである。

(2)■■■病院の手の外科専門医による、CM関節亜脱臼の解説図

 甲42の1は、日本手外科学会専門医および日本整形外科学会専門医である、■■■病院・▲▲▲医師(甲42の2)が、Webで解説している、亜脱臼の画像の説明である。
 中手骨の延長線と大菱形骨の中心の、一致やズレで亜脱臼を判断することが明示されており、この方法に準じて測定すると、甲39や甲41の計測での22〜25%のズレよりズレが大きく((3)で後述)、どの方法でも22%〜37%という大きなズレであって、米澤副院長が診療録に記した1〜1.5ミリメートル(率で10%前後)の数倍である。

(3)甲42の1に準じた測定方法3つで、22%〜37%という大きなズレ
 
甲43の1から3は、上記の甲39や甲41と同じMRI画像について、甲42の1に準じた方法3つで計測したものである。
 枝番号1は、甲42の1に準じながらもそれよりも小さめに出る計測をしたもので、これでもズレは3.67ミリメートルで、米澤副院長が指摘した1〜1.5ミリメートルの数倍あり、ズレの割合は26.1%および27.4%と大きい。
 枝番号2は、甲42の1に準じて計測をしたもので、ズレは3.83ミリメートルで、米澤副院長が指摘した1〜1.5ミリメートルの数倍あり、ズレの割合は27.3%および28.6%と更に大きい。
 枝番号3は、甲42の1に準じてカーブをフィットさせて計測をしたもので、ズレは4.50ミリメートルで、米澤副院長が指摘した1〜1.5ミリメートルの数倍あり、ズレの割合は32.0%および33.7%と更に大きい。
 このように、甲42の1に準じたあるいは参考にしたいずれの計測方法でも、甲39や甲41の計測での22〜25%のズレよりズレが大きく、どの方法でも22%〜37%という大きなズレであって、米澤副院長が診療録に記した1〜1.5ミリメートル(率で10%前後)の数倍である。

<控訴人準備書面2より一部引用ここまで>